この手法に向いている人:エリオット波動の波のカウントが苦手な人
一般的に、エリオット波動の考え方をトレードに取り入れる方は、値幅の大きさやダウ理論の後押しなどのメリットから、第3波を狙おうという手法が多いのではないでしょうか。
確かに、第1波は逆張り感が強くて捉えにくいし、第5波は値幅が小さいかもしれない。
しかし、エリオット波動の解説をしている方への質問を見ても、多くは「波の数え方がわからない」「あなたと私で数え方が違うのですが」というようなものがかなりの割合を占めるように思います。
そのような方には、第5波を狙うという手法はどうでしょうか。
第5波が出るということは、その前に第1波から第3波が完成しているということですので、初心者にとってはこちらのほうがよほど捉えやすいかと思います。
なに、だからその第3波までのカウントがやはり問題と?
あきちゃん流なら、そのお悩みも解決できるかもしれませんよ。
是非、本稿をご参考いただき、第5波の魅力も知っていただければ幸いです。
あきちゃん流 — 第5波の穫り方
まず、兼業プロトレーダーのあきちゃん先生の動画です。本稿は僭越ながら、この動画講義を解説する内容になっております。
週足5波で目線を決める方法
週足5波の本題は、17分18秒 頃から。
週足ではすっきりしたトレンドが出ていて、なおかつスイングの投資家が週足を見ながら大きな金額を動かしているので、週足の5波を追うようなトレーニングをすれば目線を間違えないようになるだろう。と、あきちゃん先生は言われています。
では、どのように波を追えばいいのか。
要は、簡単にわかるN字の波を基準にすればいいようです。
あきちゃん流であれば、第1波を必ずしもトレンドの始めから数える必要はありません。
次のチャートの中で、N字を描いている波は見つけられますか?
トレンドの途中の波の中に理想的なN字を見つけられればOKです。
N字があれば、その次の上昇が第4波候補。
第4波が第3波の起点を抜き返すことなく、またトレンド方向へ逆転すればそれが第5波ということになりますね。
例えば、このように。
このように分かりやすいところで5つの波を数えることで、第4波と第5波の間はトレードの目線を決めることができますね。
上図の例であれば、第4波の間は上げ止まりを感じるまでは買い目線。とりあえずの上限は、第3波の起点に引いた水平線まで。
第5波の間は、売り目線。下限は第3波の終点の水平線ですが、このチャートの場合は日足の切り上げトレンドラインへの反応に要注意ですね。
具体的なエントリーとエグジット例
あきちゃん先生は、実際にこのチャートでトレードされていますので、これを実例として第5波の穫り方を確認しておきましょう。
上の週足のチャートの右側の5波(赤点線枠部分)を日足チャートに落としたものが、次の図になります。
第5波の売りエントリーに至るあきちゃん先生の考え方は、ざっくり次のようなステップで推移しています。
1)週足できれいなN字を描いて、第3波まで発生。反発上昇して第4波の発生を確認。
2)日足の切り上げトレンドライン(紫の斜め線)を引きつつ、これを割ってこないうちは上昇目線。
3)第4波の上限である第3波の起点の水平線に達したところ(A)で大きな反発を見て、やはりココから上には上がらないのだと判断。(もしもこの水平線を抜ければ、上昇の第1波になったと判断)
4)これだけの勢いをつけて上昇しているトレンドは1発の天井では下落に転じないので、ダブルトップもしくはチャートパターンの形成を見守る。
5)思惑通り、再度の上昇。同水平線を試したところで、4時間足レベルの切り上げライン(黄色の斜め線)を下抜け、かつ4時間足移動平均線20EMAの下に抜けた(B)ので、それから陰線確定を確認してエントリー。
6)日足の切り上げライン(紫の斜め線)に達するあたりのところ(C)へ指値し、利確エグジット。
また、このBからCにかけての下落は週足第5波の中の第1波という位置づけです。その右側の次の下落は第3波。あきちゃん先生はこの下落も300pipsあまり獲得されています。
このエントリーに関しては本稿の主旨(第5波の発生を判断する)から逸れますので、ここでは割愛します。
いや、というか、私の下手な解説でお目汚しするよりも、あきちゃん先生自らの解説がありますので、動画からご視聴ください。上の同じ動画の6分40秒からです。あきちゃん先生の、鉄板パターンでのエントリーなので必見です。
チャネル底の第5波を狙う
もうひとつ、第5波のエントリー例を見ておきましょう。チャネルの底で第3波が終わり、その勢いで第5波が出るであろうというところのエントリーです。
(本題は2分22秒から)
今回はGBPJPYです。
動画内からの日足チャートの切り取りがこちら。
日足の下降チャネルが、紫の斜め線で引かれています。
今回のターゲットの第1波〜第3波のN字は、右下のチャネルの底を打っているものです。
ちなみに、チャネルについてご理解の薄い方は、コチラの記事などいかがでしょうか。
参考記事:相場を美しく抽象化するトレンドラインとチャネルライン
では、これを4時間足チャートに落として、あきちゃん先生のトレード手順を確認していきましょう。
1)チャネル底で大きな第3波から明確な反発=上昇波である第4波が発生。4時間足以上のチャートでは、一度のボトムで上昇に転じることは滅多にないことだということで、第5波のタイミングを計る。
2)第5波発生の候補は、戻り高値(このチャートではA)からの戻り売り。Aの水平線を若干超えて(実はフィボナッチ61.8%のラインまで戻った)戻り売りが明らかになるのを待つ。
3)第4波の上昇トレンドラインを抜けるのを待つ間、強力な月足の切り上げライン(Bの指す紫線)に3度、頭を押さえ込まれた。これはもう、下落の可能性が高くなった。
4)第4波の上昇トレンドラインのうち、ローソク実体に引いたライン(紫の斜め線)を割り込んで、かつ20EMAの下にローソク足が出たところで売りエントリー。(C)
5)チャネル底にあるので、利確の指値は第3波終点の水平線よりいくらか高めに設定。
いかがでしょうか、このように複数時間足のラインと1本の移動平均線(20EMA)を根拠にしたトレードであれば、初心者でも頑張れそうではありませんか。
コツは、第3波までのN字がキレイに出ていること。そして、ダブルボトムなりダブルトップなり、チャートパターンが出るであろうという推測の元に第5波を待つことです。
ちなみに、この『チャネル底の第5波を狙え‼』の動画の後半ではもうひとつのエントリーポイントが解説されています。・・・が、あきちゃん先生の本領発揮というか、とても初心者には追いきれないほどの情報量が詰まっています。中級以上のトレーダーであれば、どうぞ挑戦してみてください。
5分足チャートの第5波を勝率95.7%でとるロジック
『トレンドの長さは結果論であり、第3波が出たといえるかどうかは後付けである』
『第3波までが出たことを確認して、それから第5波を狙う方が確実』
そのような示唆を与えてくれたのは、『Phoenix Trend FX』の脇田輝明氏でした。
脇田氏の教える『Phoenix Trend FX』では、第5波を狙うステップを次のように語ります。
Step1 : 第1波から第3波までの後からわかる波動を見て、トレンドの方向性を決める
Step2 : 第4波によって相場にどれだけエネルギーが溜まっているかを確認する
Step3 : 第5波の初動から一気に利益を撃ち抜く
言うのは簡単。つまりどうやるの?というところは公式ページをご参考いただければと思いますが、どうやら初心者でも再現性を高めるべく独自のインジケーター(?)で非常にわかりやすくしているようです。
脇田氏のロジック自体は有料商材ですので、その本質は正直わかりませんし、わかっていても勝手に語れません。
第5波を狙い撃つための更なるヒントを得るために、公式ページから無料講座だけでも登録してはいかがでしょうか。
まとめ
・ 予測しにくい第3波を狙うよりも、第3波までが確定した後の第5波を狙う方がわかりやすい
・ 第1波から第3波までのカウントは、N字の完成を見る。トレンドの途中でも構わない。
・ 4時間足〜週足のチャートで、わかりやすいトレンドを相手にする
・ トレンド転換時にはダブルボトム/ダブルトップやチャートパターンの形成があることを前提とし、ワントップ/ワンボトムで飛び乗りエントリーしない