為替相場でチャートを動かしているのは世界中で行われている為替取引ですが、私たちのような個人投資家が身銭を投じて頑張ってトレードしていても、相場を動かすほどのインパクトはまずありません。その程度の取引金額ではせいぜい頑張っても、一瞬のティックのひとつになるぐらいでしょう。
相場を動かしているのは、もっと大口の機関投資家の取引だといっても過言ではありません。
いわゆる、『マーケットメーカー』です。
私たち弱小投資家が意識するべきはマーケットメーカーたちの動向であって、SNSやYouTubeで目立っているトレーダーのポジションのどうこうではありません。
本稿では、そんなマーケットメーカーの考え方を分かりやすく解説してくださっている、素晴らしい動画がありましたので紹介して参ります。
記事内では動画の中から大事なところをピックアップして書き出していますが、所詮は動画内で語られたことの二番煎じ。動画を見ていただいた方がよほど理解できます。
なので、ダラダラと長い記事は書きません。
マーケットメーカーの攻略法を知りたい方は動画の方も必ずご視聴ください。ぶっちゃけ、記事なんか読まなくてもいいです。動画を見てください。動画。
【これ知らないと稼げない】FX初心者が知らない、大口(投機筋)の秘密。
いま他のトレーダーはどんなポジションを持っているのだろう。
そうゆう疑問をある程度満たしてくれる情報を提供してくれている証券会社は、国内外にあります。有名なところでは、OANDAのオープンポジション などですね。
ただし、ユーちぇる社長はそういった情報の中には大口のマーケットメーカーの投資が入っているとは思えないといいます。
では何を参考にすればいいかというと、
『IMMシカゴ通貨 先物ポジション』
になります。
アメリカのシカゴマーカンタイル取引所というところで扱っている通貨先物ポジションの情報ですが、これが世界の投機筋(=投機目当ての為替取引)の縮図といわれています。
ある通貨ペアでマーケットメーカーの「買い」が溜まっていることがわかれば、・・・そろそろ利確されてマーケットは下がり出すのではないだろうか、という予測が立つわけです。
ならば、そのタイミングをはかるようにチャート分析すればいいわけです。主要な水平線とか、チャネルラインとか。
分かりやすいですね。
この『IMMシカゴ通貨 先物ポジション』をグラフ化したものを、日本の証券会社でも公開してくれているところがいくつかあります。
ユーちぇる社長の愛用しているのは外為どっとコムの『IMMポジション』とのこと。
確かに、分かりやすい。このグラフの見方は動画内で詳しく解説されています。
また、セントラル短資FXの『シカゴIMM通貨先物ポジション推移』というものもあります。
>> セントラル短資FX『シカゴIMM通貨先物ポジション推移』
こちらでは外為どっとコムとは違い、ロングの投資額が赤棒グラフ、ショートの投資額が負の青棒グラフになって上下反対方向に表示されます。その差額をとった実質的な投資額が黒い折れ線グラフになります。
外為どっとコムのグラフは、セントラル短資FXのこの黒い折れ線グラフに相当するものと思われます。
実質的には買いが優勢だとしても、売りのポジションの推移も気になるじゃないか〜!という方にとっては、セントラル短資FXのグラフの方が向いているかもしれませんね。
ちなみに、このIMMシカゴ通貨〜 は、金曜日終わりの時点でその週の火曜日の集計データが反映されるということなので、データ更新は週に一回、3日遅れの情報になってきますので、お含みおき下さい。
【FX初心者がまず見るべき動画】相場は大口が動かしている〜彼らの儲け方とは?〜
相場は規則的に動いているのに、どうして自分がエントリーした瞬間に逆行してしまうんだろう?そういう経験がある方は、多くいらっしゃることでしょう。
それは実は、マーケットメーカーの手の平で踊らされていたのかもしれませんよ。
マーケットメーカーの稼ぎ方は、個人投資家の損切りを狙っていくことだとユーちぇる社長は断言します。
トレンドラインを割りこんでトレンド転換かな?
チャートパターンが出来つつある/出来上がったからこう動くのでは?
そういう期待を込めて個人投資家がここぞとエントリーしてポジションを持っても、大口のマーケットメーカーが大金を投入して反対方向にエントリーすれば、あっとゆう間に相場は反転、多くの個人投資家のポジションはまとめて損切りに遭い、相場はさらに逆行の勢いを得る、という寸法です。
いや、実はそのような期待させる相場の値動きこそが、マーケットメーカーが資金力にモノをいわせて仕掛けた「罠」だったようです。
マーケットメーカーがこうして相場から利益をかっさらうチャンスを狙っていることを意識するのとしないのでは、トレードにも大きな差が出てくることでしょう。
マーケットメーカーの動くタイミングを見計らって、同じ方向にトレードすることができたら最高です。
目指せ、コバンザメ!
【ダマシを利用したエントリー手法】マーケットメーカーの注文に波乗りしろ!
マーケットメーカーがレートを逆行させたと思しき例を、もうひとつ見ておきましょう。
4時間足の逆三尊で買いを誘っておいて、いいところで売りを浴びせて相場を下げていくというチャートです。
大きな逆三尊が成立して「よっし、上昇だ!」と個人投資家が勢いをつけようとしたところで、売り。
相場の大局を把握することが大事だとユーちぇる社長は言われます。
上位足のトレンド方向に逆らう場合は、もっと慎重になった方がいいということですね。
そんなマーケットメーカーの狙っている方向性を見るのに適しているのは、「三尊/逆三尊」だとのこと。
それも、大きな三尊/逆三尊であればなお良い、と。
というのも、大きな三尊/逆三尊が形成されているということは、それだけ多くのマーケットメーカーがその方向に参戦しているから。
マーケットメーカーたちが狙っている方向、ダマしを入れてでも持っていきたい方向がそちらにあるだろうということですね。
なので、より大きな時間足の三尊/逆三尊の方向性を見極めて、下位足の三尊/逆三尊が出たところでこれが優位性があるのかダマシであるのかを判断していきましょう。
ちなみに、この動画では触れていませんが、上の動画で語られている『IMMシカゴ通貨 先物ポジション』も合わせて参考にされれば、より慎重なトレードができるかもしれません。
【FX初心者】〜大口注文の見極め方〜
はい、では、やっぱり、マーケットメーカーが手を出したな!という判断をするヒントが欲しいですよね。
その例のひとつが、こちらの動画になります。
テクニカル分析の上で、ここから上に行くか下に行くか分かりにくいというとき、この動画内での解説であれば上昇のトレンドラインと下降のトレンドラインが交わる辺り、ここで大きなローソク足が出れば、これはサインになるということです。
ただし、これは週足レベルのチャートで見た値動きの機微です。
下位足になればなるほど、ダマしは多くなります。
逆に週足のこの迷いのあるエリアでこれだけ大きなローソク足が伸びたということは、半端でない大きな金額が動いている証拠だとのことです。それこそ、数百兆円とか。
かといって、「大きな週足が出た〜」というだけでエントリーしてはいけません。そこはそれ、ちゃんと押し戻りでタイミングを計りましょう。
その押し戻りの反発ラインになる候補についても、初心者にとってはとても示唆に富む解説をしてくださっているので、是非動画をご確認ください。
【FX】機関投資家・ヘッジファンドの注文方法を解説!
次はコレ。
レンジの正体、というか、ヨコヨコ相場の「時間調整」の正体がマーケットメーカーの都合によるものだったというお話です。
例えばマーケットメーカーが売りに投じたい資金がXX億円あるとしますね。
でも、そんな大きな金額、金持ちファンドが「売りたい」と言っても、世界のどこかに「買いたい」という相手がいなければ成り立ちません。約定拒否です。
なので、マーケットメーカーはちょこちょこと小分けにして売りのポジションを貯めていくのだそうです。
その間に、個人投資家の買いのポジションもじわじわと蓄えられていきます。
その結果、何度も価格が上げたり下げたりを繰り返しながら売りを仕込んだ後に、どーんと価格を動かす。
これが、「時間調整」と言われているレンジの正体です。
ということはですよ。ここからは私見での補足になりますが・・・、
上の動画でもらったヒントを参考に、レンジの上限もしくは下限あたりで、大口のマーケットメーカーが手を出したと思しき値動きが見られたら、彼らの進めたい方向が分かって、ひいてはレンジから抜けていく次のトレンド方向もわかってくるかもしれませんね。
いや、もちろんその反対にあるローソク足や値動きだって別の大口投機筋によるものではあるのですが、より強い意志で方向性を決めようとしているマーケットメーカーのその「意志」を感じることができれば、トレードに自信がつきそうです。
【ダマシの正体を解説!】マーケットメーカーの儲け方
マーケットメーカーはとにかくダマしを入れて、個人の投資家の損切りから利益をむしり取ろうと考えています。もう、ここまでの動画でこれは頭に刷り込まれましたね。
例えば、ボックスレンジ相場などに見られる反発の多い固いレジサポラインから一瞬、価格が飛び出すような瞬間。
これはマーケットメーカーが仕掛けている可能性が高いです。
というのも、、、レンジの上限に価格がきたとき、個人投資家は売りを仕込み始めますが、そもそもにしてマーケットメーカーはレンジの下の方から買っていたロングポジションを持っているのです。
この買いポジションの含み益をさらにのばすために、レンジ上限で追加の買いを入れることで価格が上がれば、その分だけ買いポジションを手放す=売り飛ばすための利益が出ますよね。
しかも、あわよくば、というか狙い通りに、「レンジを抜けた!」と勘違いした個人投資家が買いで追随してきたら、、、大きな売りでズドン!と下げて左記の個人投資家の損切りをもらっちゃうことができます。
いや〜、相場を動かせるだけの資金があるというのは、羨ましいですね。
【大口のトレード手法を知れ!】大口(投機筋)のチャートメイキングを解説。
この動画は、上記で紹介してきたマーケットメーカーの解説をまとめたような動画になっています。
ユーちぇる社長がそうゆう意図でこの動画を作成されたのかどうかはわかりませんが、多分にそうゆう構成になっています。
もしも始めに見たのがこの動画であれば、「うん、うん、なるほどね。・・・え?なんで?」となるような時もありそうなレベルの高い解説ですが、あなたが上の6本の動画を消化していれば、すとんすとんと臓腑に落ちてくることでしょう。
本稿の総復習のつもりで、ご覧ください。
ちなみに動画の中で語られている「ワイコフ理論」というのは、19世紀末ごろから20世紀初頭にかけて活躍した投資家リチャード・ワイコフの提唱した理論です。
100年前の証券取引のときから、こうした大口投資家による「ダマし」があったのですね。これはもう、100年変わらぬ相場の本質といえます。
関連記事:ワイコフ理論〜100年続く相場の真理でチャートを3次元で解く
関連記事:ワイコフ理論 実践編 〜 値動きのヒントとエントリーポイント
え、理論的なところはわかったからもっと具体例を示せ?
では、最後にこちらの動画はいかがでしょうか。
ユーちぇる社長ではありませんが、こちらの「迷晴れFX」さんも素晴らしい発信者さんです。いつも例えがわかりやすい。
FX 華麗なるエントリーを実現する、4つのコバンザメ殺法。
この動画では、ちょっとBGMや小ネタに力を入れ過ぎな感はありますが、本来の迷晴れFXさんの動画はもっとしっとりゆったりで、雰囲気の違うものなんですよ。。
まとめ
・ チャートは大口の投資家=マーケットメーカーの注文で構成されている
・ マーケットメーカーは個人投資家の損切りを喰らっていくことで、利益を伸ばしている
・ マーケットメーカーの動向は、ポジション量の変化に注目
・ 時間足が小さいほどダマしが頻繁に起こる。週足のチャートで大局を判断して波乗りする方向を間違えないこと
いかがでしたでしょうか。
こうしてマーケットメーカーの思惑や行動を知ることが、イコール勝ちトレーダーになれるわけではありません。
しかしながら、相場の支配者達が何をどうして利益を伸ばしているのか分かった上でチャートを分析すれば、より安全なトレードができるようになることでしょう。
ひとつひとつ知識を積み上げ、センスを磨いて、勝ちトレーダーに近づいていきたいところですね。
それに何より、チャートの作られている背景がわかると、FXがもっと楽しくなります!