ナンピン・マーチンEAといえば、大きなリスクと引き換えに安定した利益をもたらしてくれるEAとして人気があります。
そして昨今は、その少なくないリスクを抑えるために、多通貨ペアで運用できるポートフォリオタイプのナンピンEAが多くリリースされてきました。
・・・が、これが正解かどうか、私は疑問がありまして。
その問題は記事本文で語るとして、さらにこれを乗り越えて、期待できそうなナンピン・マーチンEAを発見しました。
それが、先日の「myEAToolBox」の記事(→⭐️←)でご紹介した「TideExplosive」、開発者はみーくんさん。
本記事では、多通貨ペア対応ナンピンEAの問題と、「TideExplosive」の素晴らしいパフォーマンスを深掘りしてお届けしていきます。
ナンピンEA派の方は、ぜひ一度ご覧ください。

多通貨ペア対応ナンピンEAの闇
「TideExplosive」のご紹介の前に、多通貨ペア対応EAの懸念について語ります。当方の独断と偏見です。
先に「TideExplosive」のパフォーマンスをご確認したいという方は、次章(→☆←)へどうぞ。
では。
例えば、あるEAをひとつの通貨ペアで計測した時のバックテストが、仮に次の通りとします。
平均年利5万円 かつ 最大ドローダウン5万円
これを、2つの通貨ペアで計測したら、次のように。
平均年利10万円 かつ 最大ドローダウン7万円
このようなデータを見ると、同時稼働でポートフォリオ化することがパフォーマンスを向上させるための正解のようにも見えます。
・・・本当に、そうでしょうか?
ここで、とあるEAの実際のデータを見てみましょう。

6つの通貨ペアのバックテストを合成した結果、上記のように素晴らしい成果が得られています。
「最大ドローダウン ÷ 平均年利」が0.6ということは、過去最大級のドローダウンが来ても0.6年で回復できるポテンシャルがあることを表しています。ナンピンEAとしては、あり得ないほど優秀です。
ちなみに、上図のデータには「含み損」の表示がありません。ナンピンやナンピン・マーチンEAのデータを見るときに、「含み損」が明らかになっていないデータは論外です。ナンピン系は必ず「含み損」を確認しましょう。
ここからの説明は、便宜上、表示されている「最大DD」を「証拠金最大含み損」として扱います。ナンピンEAのつもりで見ていきますね。
このEAの場合は、合成された6つの通貨ペアのそれぞれの最大ドローダウンは次の通りでした。

ドローダウンが発生した時期にも、別の通貨ペアの利益が積み重ねられたことにより、ポートフォリオ全体では9万円程度のドローダウンで済んでいたことになります。
悪くない。
悪くないのですが、これって、ドローダウンが重ならないようにするための対策は打ってあるのでしょうか?
対策がないのであれば、ドローダウンの時期が重ならなかったのは、ただのラッキーということになります。
ここに、合成して見せたバックテストデータの闇があると思います。
どういうことかというと、次のデータを見ればわかります。6通貨ペアの個々の成績を見てみると・・

回復性能である「最大DD ÷ 平均年利」の数値が、非常に悪いですね。
過去最大級のドローダウン(想定しておくドローダウン)が発生したら、それを取り返すために3~6年もかかるというEAを・・・買いたいと思いますか?
このように個別で販売しても売れないようなEAを、合成したら「たまたま」素晴らしいパフォーマンスになっただけかもしれません。
先述の通り、ドローダウンが重ならないための対策がしてあるのなら、実力あるポートフォリオである可能性はあります。
そうでないならば、・・・ドローダウンが「たまたま」重なっていなかっただけならば、程度の悪いEAでポートフォリオを組んで「たまたま」勝ったということになります。
特にナンピンEAにおいては、同じロジックのままで異なる通貨ペアで運用するなんて、ドローダウンが重ならないように考えるのは至難のワザでしょう。大きな含み損をいくつも同時に抱えることになったりしたら、ロスカット待ったなしです。
なので、ナンピンEAやナンピン・マーチンEAでは特に、個々の通貨ペアでのバックテストでも良好なパフォーマンスを出しているEAを選ばなければいけません。
この点に思い至らなかったために、私もいくつもの多通貨ペア対応ナンピンEAを購入して失敗してしまいました。せっかく対応の通貨ペアは多いのに、1~2件ぐらいの通貨ペアでしか使えなかったという失敗を。
ここまでは、合成バックテストの成績良好をウリにして販売している多通貨ペアEAの注意点として、お納めください。
そんなジレンマを抱えていたところに現れたのが、「TideExplosive」でした。

TideExplosiveのデータ分析
ナンピンEAを比較する3つの主力データ
私の場合は、ナンピンEA/ナンピン・マーチンEAを評価するときに見るデータは主に3つです。
1.計測期間の長さ
2.最大ドローダウン(証拠金ベース)の低さ
3.回復性能「最大ドローダウン ÷ 平均年利」
まず、バックテストにしろフォワードにしろ、計測期間は長い方がいいですね。
証拠金ベースの最大ドローダウンというのは、つまり「含み損」のことです。想定される含み損が小さいほど、必要な証拠金は少なくて済みます。
そして、回復性能。
「最大DD ÷ 平均年利」=過去最大級のドローダウンを何年で回復できる見込みがあるか
という目安ですね。ナンピンEAでは「含み損」を最大ドローダウンとするので上記の限りではないのですが、EAの性能を比較する目安としては便利です。
通常の単ポジEAであれば、回復性能が1.0以内であれば良いEAだと思います。
ナンピンやナンピン・マーチンEAであれば、
回復性能が2.0ぐらいまでは優秀作といえるでしょう。
3.0なら微妙。
4.0を超えると、私は使う気はしませんね。
これを踏まえて、「TideExplosive」のデータを見ていきましょう。
TideExplosive 公式バックテストはかなり優秀
以下は公式サイトで公表されている「TideExplosive」のバックテストデータをまとめたものです。

なんと、10通貨ペアもありますね。
回復性能に注目すると、このうち3つもの通貨ペアが1.0未満という快挙です。ナンピン・マーチンEAでこれは、凄い数値です。
その他の通貨ペアを見ても、回復性能はどれも良い数字になっていますね。
ただひとつ、CHFJPY だけはいただけない。これは、使わない方がいいでしょう。
また、EURGBP も最大ドローダウンが12万円と、他と比べてリスクが高めです。
他の最大DDも見てみると・・・AUDUSD の7.7万円を除くと、すべて5万円以内に収まっています。
これがどれほど素晴らしいことか、参考にGogoJungle のナンピンEAと比べてみましょう。
関連記事:【2023年版】最高のナンピンEAオーディション、再戦!

上記の記事にて、ゴゴジャンで販売中(当時)の3,517件の全EAのうち、ある条件の下で厳選して残ったナンピンEAはわずか4件+アルファ。
それが、こちら。

これら超厳選のEAのバックテストと比較してみて、いかがでしょうか?
先ほどの「TideExplosive」のバックテスト一覧も、負けていないと思います。
あれもこれも要りません。「TideExplosive」というひとつのEAをセットするだけで、このレベルのポートフォリオが組めるというのは、かなりお得です。
もっとも、多通貨ペア対応EAでの懸念があった通り、ドローダウンが同じ時期にやってこないとも限りません。口座の証拠金とリスク(想定されるドローダウン)のバランスを考慮して、余裕のある資金で運用することは必要です。
「TideExplosive」では運用する通貨ペアをパラメーターで指定することができますので、運用しないものは指定から外すことができます。
公開フォワード口座も2年超え順調
EAの信頼度を測る指標というのはいくつかあると思いますが、やはり、一番重要なのは、
開発者(and/or 配布者)本人がリアルマネーを運用しているか
ということではないでしょうか。
「TideExplosive」はじめ、「myEAToolBox」のEAは全て、開発者さんがガッツリ運用しています。それも、複数の口座に分けて、それなりの大きな金額で。
公開されている口座は、こんなに↓あります。
XM 極み口座 : AtlantisExlosive専用口座
この中から、「TideExplosive」のフォワード履歴を確認していきましょう。

<基礎情報>
口座:XM極み口座
投資金額:約4,000ドル (→ 7月に口座整理して1,500ドルで再開)
計測期間:2023年7月2日 ~ 2025年7月22日(記事編集時まで)
公開情報:myfxbook https://www.myfxbook.com/members/f85tkm/tideexplosive/11393341
計測開始からちょうど2年の先月末にて、訳あって全出金からの1,500ドル再投資で運用継続となったようです。
この2年間の入金額は4,000ドル、
対して出金の合計は 6,973ドル。
平均年利でいうと 3,486ドル/年。 投資金額に対しては、年利87%の計算ですね。
これ、全ての通貨ペアを0.01ロットベースで稼働している成果です。普通にすごい。
最大ドローダウンは、読み取りにくいのですが、おそらく約2,500ドルぐらい。
最大DD ÷ 平均年利 = 0.72
素晴らしいです。バックテストともしっかり合致していますね。
この2年で何度かの損切りも経て、このパフォーマンスとなっています。
では、どの通貨ペアが損切りを食らってきたのか。個別に見ておきましょう。(ただし、未来の相場でも同じ傾向とは限りません)
通貨ペアの取捨選択をするのであれば、こちらの個別フォワードと、先ほどのバックテストデータを合わせて参考にして決めていただくと良いでしょう。
Myfxbook の「Custom Analysis」機能で、通貨ペア毎に分けて表示した損益グラフがこちら↓










この2年間では、小さめに損切りを喫してはいても、その後だいたい回復できる傾向にあることが分かりますね。
この期間に大きめの損切りを食らったのはEURAUDだけでした。その損失も、他の通貨ペアの利益でしっかりカバーされています。
とはいえ、EURAUD が不調な時に EUR系の通貨ペアや、あるいはAUD系の通貨ペアがまとめて損切りする事態なんかもあり得たわけで・・・。過去の実績は参考程度に、証拠金には余裕を持った運用が必要であることは変わりません。
ちなみに、当方タシデレは6つの通貨ペアに厳選して運用しています。そちらの口座のリアルタイム記録も載せておきますね。詳細ページで通貨ペア個別のグラフがご確認いただけます。(トレードされた通貨ペア・マジックのみ表示されています)
【RealTrade/TideExplosiveのみ抽出】

TideExplosiveの魅力 ~Extra編~
ここまでは、バックテストとフォワード記録のデータから「TideExplosive」の優秀さを説明してきました。
最後に、データでは語れない魅力を2つご紹介しておきます。
◯ 1つのチャートにセットしたら10通貨ペアでトレードしてくれる、楽!
このEAは、USDJPY のチャートにセットするだけで10通貨ペア全てのトレードをこなしてくれます。
チャート10枚に設定しなくて楽ちんでいいわ~、というだけではありません。
MT5で開いているチャートの数が多いほど、PCのメモリを消費します。本来10毎必要なチャートが1枚で済むのなら、9枚分のメモリを節約していることになります。
これって、ポートフォリオ運用するトレーダーにとってはメチャクチャありがたいこと。複数のMT4・MT5で、それぞれ多数のEA・多数のチャートで運用しているわけですから、9枚も節約してくれるなんて、まさに神。
なお、10通貨ペア全てを運用するのではなく、通貨ペアを減らしたいという方は、パラメーターで設定することができます。

詳しくは、公式ページをご参照ください。
◯ 口座縛りなしで使いまわしOK、得!
「TideExplosive」はIB提供されていません。購入のみとなっています。
みーくんさんのEAは、購入の場合は「名義縛り」が付与されます。
口座の名義が同じであれば、いくつの口座でも使えます。
複数のブローカーに分散するもよし。
複数のポートフォリオに使いまわすもよし。
同一名義内でご自由にどうぞ。
同じぐらいのお値段のEAを他の販売プラットフォームで購入したら、普通は1つか2つの口座に限定されます。
「TideExplosive」はこんなにもパフォーマンスが素晴らしいのに、口座数無制限で使えるだなんてお得すぎます。
安定型ナンピンEAをお探しの方には、間違いなくオススメできる逸品です。
まとめ
・ 多通貨ペア対応のEAといえど、それぞれの通貨ペアでそれなりのパフォーマンスを出していなければ、実運用には使いにくい。
・ ポートフォリオ内のドローダウンが重ならないよう配慮があればいいが、多通貨ペア・ナンピンEAの場合は難しい。
・ 「TideExplosive」は個々の通貨ペアでのバックテストが強い。低リスクだから、ポートフォリオも組みやすい。
・ 公開フォワードでは平均年利87%。最大ドローダウンは年利の0.72倍ほど。
・ みーくんさんのEAのメリットで、ひとつのチャートに設置するだけで対象通貨ペア全てでトレード。チャートを減らしてPCのメモリ節約効果あり。
・ 口座の数に制限はないので、同一名義の口座であれば使い放題。
・ 控えめに言って、ナンピンEAなら「TideExplosive」がオススメ!
